気功 ・心と身体の健康のための禅密気功                          HOME    
気功について  
気功練習の五つの要素について 
気功について

1.気を理解するという事
気功を練習する人達は、先ず「気とはどういうものか」という疑問を持つでしょう。
「気」についてインターネットで検索してみると、いろいろな説明があります。
自然現象としては、雲、空気、風、息、等の説明があり、哲学的には万事万物の元のエネルギーという説明があります。
このエネルギーの積み重ねにより万事万物が生じ、万事万物を分解すると気になると考えられています。

伝統医学では、気は生命の源であり、健康であると元気といい、問題があると病気といいます。気が乱れると病が生じます。
科学的には気は静電流、赤外線、磁石、温度差等によって生じると考えられています。
分子の元は原子、原子の元は電子、電子の元は素粒子となり、気は素粒子のようなものと考えられています。
気を研究している人達は、気は一つの波長、波動等という新しい考え方で説明していますが、私達練習する者は、練習する時の感覚を気と認識します。

気功の状態になると現実の感覚は薄くなります。この時の現実の感覚というのは、五感(味覚、嗅覚、触角、視覚、聴覚)による感覚で、気功状態では眠気と雑念も少なくなり、意識は眠っていなく、明確にあります。
その状態を維持していくと、体の中に普段感じない感覚が生じてきます。
それらの感覚を気といいます。

気の感覚は微妙ですので、文章では、正確に説明しているとは言えません。
例えばお茶の味についていくら書いてみても、限界があるのと同じ事です。やはり実際に飲むと一番正確に分かります。もう一つ例をあげるなら、映像で観光地を見るのと実際にその場所に行って見るのでは感覚が違いますが、その違いを言葉で説明するのは難しいです。
難しいですから色々な言葉を使って説明しようとします。でもその言葉にこだわると、本当の感覚から外れてしまうでしょう。
おおよその見当をつけて考えると、本当の感覚に近くなると思います。
気の理解についても同じです。私達は感覚から気を理解しています。理解した気を説明しようとすると限界があります。やはり練習を通して、実際に体験する事が一番大切です。

2.気感と健康
気功練習の目標の一つは、気を活性化する事によって健康になる事です。
気を活性化するとはどういう事でしょう。微妙な気の感覚が満ちてくると言う事です。
これは練習している時の感覚を通しての説明です。先程も説明したように、気の感覚をつかむと現実の感覚は少なくなります。五感による外部の交流が少なくなり、その状態は心身双共に休んでいる状態です。
そうなると緊張感から次第に解放され、落ち着いてきて、毛細血管がより開き、細胞が活性化して健康を取り戻す方向に向かいます。

気功を練習すると何故健康になるかという理由については、様々な考え方があります。
例えば、交感神経と副交感神経のバランスが良くなるので健康になるとか、左脳と右脳のバランスが良くなるので健康になる等々。
ですが私達練習している者は、理論よりも気が満ちている実際の感覚を大事にしなくてはなりません。この感覚こそが健康に繋がっているのです。

3.気感について
ではどうすれば気感が分かるようになるのでしょうか。これは難しい問題の一つです。
気を感じるには、二つの方法があります。
一つは意識を体内に置き、動かさないでそのまま続けると気が浮かんで来ます。これは「意守気動」といいます。
もう一つは意識を使って気を生じさせる方法で、これは「意領気動」といいます。

両方の同じ点は、現実の感覚は無視して、微妙な感覚を意識する事です。
大事な事は微妙な感覚を探す事です。探すというのは、意識的に微妙な感覚があるように想像する事も含まれます。
こう書くと、少し理屈っぽくなると思いますが、かわりに分かりやすい面もあると思います。ようするに、長い年月練習しても気感が見つからないという場合は、もっと微妙な感覚を探すように、創るように想像しなければなりません。現実の感覚として気の感覚を探すとあまり感じられません。気を感じる為には朦朧や夢うつつのような状態に入ってから探していくと、気が浮かんで来ます。顕在意識が強すぎると浮かんできません。夢うつつや五感の感覚が薄くなる、顕在意識が緩んでくる、外部の刺激を受けないようにする等は、総て同じ状態の事を指しています。表現が違うだけです。
練習を通してそれらの状態を理解していきましょう。

4.気功態の意識について
気功を練習する時の意識の状態をすこし説明しましょう。
練習の第一段階では、なるべく意識を動かさないように練習する事です。意識は常に変化しています。練習すればするほど、その変化が分かって、変化を止めるのは難しい事が分かります。その動きは、昔は野生の馬と猿にたとえられました。練習すると言う事は、野生の馬と猿を柵で囲う事と同じです。囲う方法は流派によって異なりますが、基本的にはあまり感じないところに意識を集中します。体内の微妙な感覚に意識を集中する事は、多くの流派の基本的な方法です。

初心者は集中しようとしてもあまり感覚がないので、却って他の雑念が多くて、集中しようとしても雑念の方に意識がいってしまいます。その時、できれば早目に分かって、微妙な意識に集中する事に戻りましょう。暫くするとまた、雑念に意識がいってしまいます。それを繰り返すうちに、雑念が少し減ってきて、意識を定める事ができるようになって、そのまま続けると、緊張感が緩んできて、眠気がでてきます。寝付きが悪い人でも、そのまま座って瞑想していると、眠気におそわれる事が多いです。

でも眠気があっても、前と比べると進歩していますし、この状態は禅定の一つともいえます――――「昏沈定」といいます。もっと良い瞑想になる為には、眠気と戦わねばなりません。
一つの方法としては、充分に睡眠をとってから練習を続ける事。
もう一つの方法は眠気を我慢する事です。そうすると眠気をあまり感じなくなります。
その時、おおむね気功態に入っているといえます。

練習の第二段階では気功態になっています。気功態の意味はいくつかの文章に書きました。この時の意識の流れは、二つのポイントに分けられます。
一つは微妙な感覚を受ける事です。例えば、少し重いような、しびれるような、刺されたような、痒いような、或いは体が気泡のように動いているような感覚を受ける事です。
もう一つのポイントは、その感覚を考える事です。例えばどうして刺されるような感覚があるのか、しびれるような感覚があるのか、気泡のようになればこれからどうするのか、身体が薄い感じになったら自分の存在はどうなるのか、等を考える事です。

この二つのポイントは日常生活で常に体験しています。
例えば知人の顔を見ると、先ずは見たという感覚があって、次にこれは知人の顔でどうしてここにいるのか、これからどこに行くのか等の意識の流れを体験しています。

この二つのポイントは、気功態の中で、より繊細で鮮明に感じられます。
繊細というのは、現実ではなく、夢で感じるような感じです。
鮮明というのは、他の感覚があまりないので、この感覚が余計に鮮明に感じられます。
一番目は(感)覚といって、尋ともいいます。
二番目は観(察)といって、伺ともいいます。
一番目の感じる意識がないと、気功態に入っていません。或いは寝てしまっています。
二番目の考える意識がないと、進歩がなく、深いところに行けません。
気功態の中の二つのポイントを、練習を通して体験してみましょう。

5.気功態になった時の光景について
瞑想を続けると、雲や、空や、色々な光景を実際に見ているかのように感じます。
理論的に考えれば、目を閉じているのですから、景色が見えるわけはありません。
でも瞑想する時、瞑想の功法に従って、大自然や雲や湖などを考えるようにすると、他の感覚(視覚も含む)があまりないので、自然にそれらが見えるかのようになってきます。他の感覚があまりないので、場合によってより鮮明に見えます。
その現象になれば、より深く瞑想しているという事です。
しかし見えた物に執着すると、偏って正しい道から外れてしまいます。

どんな光景が良いのか、或いは良くないのかと質問される事があります。
先ずは気持の良くなる光景が良いでしょう。
次は夢うつつの状態を保っていられるものであれば良いでしょう。
三番目は良い光景が浮かんできた時、「感じると考える」の二つのポイントがあまり強く無い事です。浮かんできた光景の刺激により、顕在意識が活発になりすぎたり、意識の活動が強すぎるようになる光景は、気功態から離れて現実に戻ってしまうので、良くありません。

光景の感覚について。まずは見えていると想像して、次に見ているような感覚があって、その感覚が消えたり浮かんできたりを繰り返します。場合によっては、洞窟の底や、頭の奥から、浮かんだり消えたりします。そうなれば、明るいところを見ていくと、その明るい感じが次第に広がってきます。その広がった明るいところを見続けると、更に広がります。それを繰り返すと、青空のような、白っぽい雲のような光景が鮮明に固定されます。固定した光景を見続けると、場合によっては割れて、消えて、後ろの光景が浮かんで来ます。このまま続けていくと深い瞑想の方向にいけます。
注意する点は、光景に執着しない事です。人間は物事に定着して執着するという癖がありますが、気功態の場合は限界がないので、執着にまきこまれてしまう可能性が高いですから、充分に気をつけなければなりません。

6.気についての質問
気功を練習していると次のような質問を良く受けます。

どの程度気功を練習すると体の存在感がなくなって、気の体の感覚が感じられるようになるのか。
それは練習の方法と生活状況によって決まります。
気功を練習するといっても、動功だけ練習してもその感じはでてきません。
ここでの静功は体を動かさず、まっすぐ座っているだけでなく、意念で気を動かす事(「意領気行」)もしません。ただひたすら体の中の微妙な感覚を探して、そして見守っていくだけです。それは以前の会報に書きました「意守気動」です。「意守気動」の原則に従って練習すれば、肉体の存在感が薄くなって、気の体になります。

気の体になる為には、練習方法だけでなく、体の状況、練習時間、生活習慣、生活環境等、諸状況と密接な関係があります。現在では毎日2時間も練習すれば良い方だと思いますが、しかしながら2時間練習しても、不規則な生活で忙しい毎日を送り、ストレスもあるようでは、効果はみられません。
気の体という感覚がでてくるのは、昔の修行者達からみればまだ初級段階ですが、
現在では、多くの気功を練習している人達にとっては、かなり深さのある段階であるといえます。
この段階に入る為には、できれば集中的に練習するほうが効果的です。
気の体の感覚を体験している指導者のもとで、1、2週間、或いはもっと長期間、
寝食以外は瞑想しかしないという生活を送れば早く効果がでてきます。
この状況では、生活環境や習慣など、諸問題に影響されませんので、練習に精進できます。時として10〜20年間練習しても到達できていない場合は、この短期間の集中的な訓練で到達できるようになります。

練習すると光が見えると聞きますが、どの部分で光を見るのでしょうか。
そうですね。目を閉じているのに光が見えるというのは不思議な事ですから、もっともな質問だと思います。でもどの部分で光を見ると考えるよりも、練習して体験した方が分かります。気功は体験の文化ですから、練習して体験する事が何よりです。
理屈で分かっても、それは練習と関係のない事です。
どうして光が見えるかという事については、項目5で説明しました。参照して下さい。





 気功練習の五つの要素について

気功の練習には五つの要素があります。
体の練習、気の練習、光の練習、意識の練習、心の練習です。
五つの練習の要素は、お互いにそれぞれの要素を含みあいながら、各要素には段階があり、同時につながりがあります。
さらに(一歩一歩)「体」の次が「気」で、「気」の次は「光」で、「光」の次が「意識」で、「意識」の次が「心」というように、進んでいく状態にあります。

1.体の練習
体の練習というのは、運動を通して、全身のすじや筋肉を鍛えることです。
気功の練習の真髄は瞑想ですが、体が弱いと瞑想を続けられません。気功の体を動かす運動は、ゆっくり、柔らかく、力を入れて、連続で行います。
ようするに有酸素運動です。体力と筋力がアップして、体質が改善され、気持が生き生きします。

2.気の練習
気功の練習の大事なところで、体の芯の部分から気が活性化して、全身に広がっていきます。
気が動きはじめる時、気が活性化する時、気が満杯になる時、それぞれ感覚、効果、特徴があります。

3.光の練習
気が満杯になると光が浮かんできます。気の練習と同じように光が動きはじめる時、活性化する時、満杯になる時、それぞれ感覚、効果、特徴があります。

4.意識の練習
光が満杯になったら、意識を続けて動かないように練習していくと、時間と空間の感覚が無くなります。
そうなると、前と後ろ、上と下が同じように感じられ、過去や今現在さらに将来の区別も無くなります。
(意識の練習について、さらに九段階に分けて説明するという、伝統のプロセスがありますが、ここでは他の要素とのつながりを説明するので、意識の練習だけの細かい説明は避けます。)

5.心の練習
気功の練習の根本は、心の底までリラックスする事です。意識の練習以上の段階になると、心は非常に落ち着く状態になります。この状態を見守って続けて維持することは、心の最高の練習の段階です。

以上の五つの要素の練習の系統は、次から次へ「体→気→光→意識→心」と一歩一歩進んで行きます。しかも、それぞれの要素が互いに含まれています。つまり、体の練習の中に、気、光、意識、心の練習もあり、そして、気の練習の中に、体、光、意識、心の練習もあります。以下も同じです。

「体、気、光、意識、心」の各要素の練習には、それぞれの段階、感覚、効果、特徴などがありますが、先ずは五つの練習があるという
を説明しました。 

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